教育の現場では、生徒や学生に、
「主体的に考えよう」 「新しいことに挑戦しよう」 「自分自身を変えていこう」
と伝える場面が数多くあります。
では、その言葉を伝える側である私たち大人は、自ら学び、挑戦し、変化し続けているでしょうか。
ある学校法人の理事長が感じておられたのも、まさにその問いでした。
生徒や学生には主体性や自己変革の大切さを伝えている。一方で、教職員自身がこれまでの考え方や行動のパターンを変えようとしなければ、その言葉には十分な説得力が生まれないのではないか。
そんな問題意識から、教職員の皆さんを対象に、
「自己変革を促すブレイン&メンタルトレーニング」
をテーマとした研修を実施しました。
研修で大切にしたのは、「もっと頑張りましょう」と精神論を伝えることではありません。
まず、自分自身の心の状態に気づくこと。
日頃どのような言葉を使い、どのような思考のクセを持ち、出来事をどのように捉えているのか。
そして、その心の状態や捉え方が、自分の行動や周囲との関わりにどのような影響を与えているのかを見つめていただきました。
人は、ともすると自分を変えることよりも、環境や相手が変わることを期待してしまいます。
「あの人が変われば」 「生徒がもっと主体的になれば」 「組織が変われば」
しかし、自分がコントロールできるのは、まず自分自身です。
自分の考え方を少し変えてみる。 かける言葉を変えてみる。 これまでとは違う行動を一つ選んでみる。
その小さな自己変革が、周囲との関係を変え、やがてチームや組織の空気を変えていきます。
教育者の言葉以上に、生徒や学生が見ているものがあります。
それは、その人自身の生き方や姿勢です。
学び続ける。 挑戦し続ける。 失敗しても、もう一度前を向く。
そんな大人の姿そのものが、生徒や学生にとって「主体的に生きるとはどういうことか」を伝える、何より強いメッセージになるのではないでしょうか。
人を変える前に、まず自分から。
人財育成とは、誰かを一方的に変えることではありません。
育てる側も、育てられる側も、ともに学び、ともに成長していく。
私が大切にしている「共育」の考え方を、改めて実感する機会となった研修でした。