職場の雰囲気は、制度やルールだけでつくられるものではありません。
日々交わされる言葉。 声のトーン。 表情。 相手への接し方。
そうした一つひとつのコミュニケーションが積み重なり、職場の「空気」をつくっていきます。
ある企業では、社員の多くが、感情をうまくコントロールできないことから強い言葉や態度が表れ、周囲が萎縮したり、人間関係に緊張が生まれたりすることが課題となっていました。
そこで、
「感情に左右されないコミュニケーション ~お互いを尊重し合う職場づくりのために~」
をテーマに研修を実施しました。
この研修で大切にしたのは、「感情を持たないようにすること」でも、「怒りや不満を無理に抑え込むこと」でもありません。
感情そのものは、誰にでも生まれます。
大切なのは、その感情に気づかないまま反射的に言葉や態度へ出すのではなく、
「今、自分はどんな状態なのか」
と一度自分自身を見つめることです。
感情が大きく動いたときほど、すぐに反応するのではなく、少し間をつくる。
出来事そのものと、自分の受け止め方を分けて考える。
そして、
「この言葉を受け取った相手は、どのように感じるだろうか」
と、相手の立場にも意識を向ける。
そうすることで、同じ内容を伝える場合でも、言葉の選び方や伝え方は変わってきます。
職場に必要なのは、誰も感情を表さないことではありません。
自分の感情を理解しながら、相手の存在や考え方も尊重し、建設的に伝え合えることです。
上司と部下。 先輩と後輩。 同僚同士。
どの関係であっても、「自分が正しい」「相手が間違っている」という視点だけでは、関係性はなかなか良くなりません。
まず自分の心の状態を整える。
そして、相手を変えようとする前に、
「自分はどのような関わり方を選ぶのか」「自分はどう在りたいのか」
へ意識を向ける。
一人ひとりがその選択を積み重ねていくことが、互いを尊重し合える職場づくりにつながっていきます。
感情を整えると、言葉が変わる。 言葉が変わると、関係性が変わる。 関係性が変わると、職場の空気が変わっていく。
人が安心して力を発揮できる組織をつくるためには、こうした日々のコミュニケーションこそ、大切な土台になると考えています。